▪️目的
AWSについて調べていると、「EC2」という言葉をよく目にすると思います。
EC2はAWSを代表するサービスの一つで、AWS上に仮想サーバーを構築して利用できます。
しかし、
- EC2ってそもそも何?
- EC2では何ができるの?
- オンプレミスのサーバーとは何が違うの?
- インスタンスタイプって何?
- AMIって何?
など、初めてAWSを学ぶ方には分かりにくい部分も多いと思います。
そこで今回は、AWS初心者の方に向けて、EC2の基本的な仕組みや用語、実際にどのように利用するのかについて解説します。
▪️EC2とは?
EC2とは、
Amazon Elastic Compute Cloud
の略称です。
AWS上で仮想サーバーを作成し、利用できるサービスです。
簡単にいうと、
「AWS上でサーバーを用意して利用できるサービス」
と考えると分かりやすいでしょう。
例えば、Webサーバーを構築したい場合、オンプレミスでは物理サーバーを用意して、その上にOSやミドルウェアをインストールします。
EC2を利用すると、AWS上に仮想サーバーを作成し、そのサーバー上にOSやミドルウェアを構築できます。
イメージすると以下のようになります。
オンプレミス
物理サーバー
│
↓
OS
│
↓
Webサーバー
一方、EC2では、
AWS
│
└─ EC2
│
↓
仮想サーバー
│
↓
OS
│
↓
Webサーバー
という形になります。
▪️EC2では何ができる?
EC2では、さまざまな用途でサーバーを構築できます。
例えば、
- Webサーバー
- アプリケーションサーバー
- バッチ処理
- 開発・検証環境
- 社内システム
- 各種ミドルウェアの実行環境
などです。
例えば、Webサイトを公開する場合、
ユーザー
│
↓
インターネット
│
↓
EC2
│
└─ Webサーバー
という構成を作ることができます。
EC2は「サーバーそのもの」というより、AWS上でコンピューティングリソースを利用するためのサービスと考えるとよいでしょう。
▪️EC2インスタンスとは?
EC2を学ぶと、
「EC2インスタンス」
という言葉が出てきます。
インスタンスとは、簡単にいうと、
EC2で作成した仮想サーバー
のことです。
例えば、
AWS
│
└─ EC2
│
├─ インスタンス①
├─ インスタンス②
└─ インスタンス③
のように、複数のEC2インスタンスを作成できます。
それぞれのインスタンスに異なるOSや設定を用意することもできます。
▪️EC2インスタンスを作成するときに決めること
EC2インスタンスを作成するときには、いくつかの設定を選択します。
代表的なものが、
- AMI
- インスタンスタイプ
- ストレージ
- ネットワーク
- セキュリティグループ
- IAMロール
- キーペア
などです。
最初はすべてを覚える必要はありません。
まずは、
「EC2インスタンスを構成するために、OS・CPU/メモリ・ストレージ・ネットワーク・アクセス制御などを設定する」
と理解しておけば十分です。
▪️AMIとは?
EC2を作成するときに出てくる重要な用語がAMIです。
AMIは、
Amazon Machine Image
の略称です。
EC2インスタンスを作成するためのイメージとして利用されます。
例えば、
- Amazon Linux
- Ubuntu
- Windows Server
などのOSを含むAMIを選択して、EC2インスタンスを作成できます。
イメージとしては、
AMI
│
│ EC2インスタンス作成
↓
EC2インスタンス
│
↓
OS
という関係です。
つまり、
「どのOSなどをベースにEC2を作成するのか」
を決めるときにAMIを利用します。
▪️インスタンスタイプとは?
EC2には非常に多くのインスタンスタイプがあります。
インスタンスタイプによって、
- CPU
- メモリ
- ネットワーク性能
- 料金
などが異なります。
例えば、
インスタンスタイプA
CPU:少なめ
メモリ:少なめ
↓
小規模な処理向け
インスタンスタイプB
CPU:多め
メモリ:多め
↓
高負荷な処理向け
といった違いがあります。
そのため、
「どのくらいの処理能力が必要なのか」
を考えて、用途に合ったインスタンスタイプを選択します。
EC2では、必要な性能に応じてコンピューティングリソースを選択できることが特徴の一つです。
▪️EC2のストレージ
EC2では、サーバーのデータを保存するためのストレージも利用します。
代表的なサービスがEBSです。
EBSは、
Amazon Elastic Block Store
の略称です。
EC2インスタンスに接続して利用できるブロックストレージです。
イメージすると、
EC2
│
├─ CPU
├─ メモリ
└─ EBS
│
└─ データ
という関係になります。
例えば、EC2上のLinuxでファイルを保存する場合、そのデータをEBS上に保存する構成にできます。
Linuxで学んだディスクやファイルシステムの知識も、ここでつながってきます。
▪️EC2とネットワーク
EC2は単独で存在しているわけではありません。
AWSのネットワークサービスであるVPCの中に配置して利用します。
例えば、
AWS
│
└─ VPC
│
└─ Subnet
│
└─ EC2
という構成です。
EC2からインターネットへ通信したり、他のAWSサービスと通信したりする場合には、VPC内のネットワーク構成が関係してきます。
そのためEC2を理解するには、VPCやSubnet、Route Table、Internet Gatewayなどのネットワークの知識も重要になります。
▪️セキュリティグループとは?
EC2への通信を制御するために利用する代表的な機能がセキュリティグループです。
例えば、
インターネット
│
│ HTTP : 80
↓
┌──────────────┐
│ セキュリティグループ │
└──────────────┘
│
↓
EC2
のように、どの通信をEC2へ許可するのかを設定できます。
例えば、
- HTTP:80
- HTTPS:443
- SSH:22
などの通信を許可する設定があります。
ただし、実際のシステムでは必要な通信だけを許可することが重要です。
▪️EC2への接続
EC2を作成したあと、そのサーバーへ接続して操作することができます。
LinuxのEC2であれば、SSHなどを利用して接続する構成があります。
例えば、
自分のPC
│
│ SSH
↓
EC2
│
↓
Linux
というイメージです。
EC2にログインすると、Linuxコマンドを利用してファイル操作や設定変更などを行えます。
そのため、Linuxを学んでいると、EC2を理解するときにも知識を活かすことができます。
▪️EC2を実際のシステムで使うと?
EC2単体で利用することもできますが、実際のシステムでは複数のAWSサービスを組み合わせることが多くあります。
例えば、
インターネット
│
↓
ALB
│
┌───────────┴───────────┐
↓ ↓
EC2① EC2②
│ │
└───────────┬───────────┘
↓
RDS
のような構成です。
この場合、
- ALB:ユーザーからのリクエストをEC2へ振り分ける
- EC2:アプリケーションを実行する
- RDS:データベースを提供する
という役割分担になります。
このようにAWSでは、一つのサービスだけですべてを構築するのではなく、それぞれのサービスを組み合わせてシステムを構築することが重要です。
▪️EC2とオンプレミスのサーバーの違い
ここまでEC2について見てきましたが、オンプレミスのサーバーと比較すると理解しやすくなります。
| 項目 | オンプレミス | EC2 |
|---|---|---|
| サーバー | 物理サーバーなど | AWS上の仮想サーバー |
| 調達 | 機器の購入・設置が必要 | AWS上で作成 |
| OS | 自分たちで構築・管理 | AMIなどから作成 |
| CPU・メモリ | サーバーの物理構成に依存 | インスタンスタイプで選択 |
| ストレージ | 物理ディスクなど | EBSなどを利用 |
| ネットワーク | 物理機器などを構築 | VPCなどで構築 |
| 拡張 | 機器追加などが必要 | インスタンスタイプ変更や台数追加などで対応可能 |
ただし、EC2でもOSやアプリケーションなど、利用者側で管理する範囲はあります。
「クラウドだからサーバー管理が全部不要になる」
というわけではありません。
ここはAWSを学ぶうえで非常に重要なポイントです。
EC2を利用するメリット
EC2にはさまざまなメリットがあります。
♦︎必要なときにサーバーを作成できる
物理サーバーを購入して設置する必要がないため、必要なタイミングでEC2インスタンスを作成できます。
♦︎用途に応じて性能を選択できる
CPUやメモリなどの要件に応じて、適切なインスタンスタイプを選択できます。
♦︎台数を増減しやすい
システムの負荷や利用状況に応じて、EC2インスタンスの台数を増やしたり減らしたりできます。
♦︎AWSの他サービスと組み合わせられる
VPC、EBS、ALB、RDS、S3、CloudWatchなど、さまざまなAWSサービスと組み合わせてシステムを構築できます。
▪️EC2を学ぶうえで重要なこと
EC2について勉強すると、
「AMIは何?」
「インスタンスタイプは?」
「EBSは?」
「セキュリティグループは?」
と、一つ一つの用語を覚えたくなると思います。
もちろん用語を理解することも重要です。
しかし、それだけではなく、
「EC2というサーバーを動かすために、何が必要なのか?」
という視点で考えることが重要です。
例えば、
EC2を動かす
│
├─ AMI
│
├─ CPU・メモリ
│ └─ インスタンスタイプ
│
├─ ストレージ
│ └─ EBS
│
├─ ネットワーク
│ └─ VPC / Subnet
│
└─ 通信制御
└─ Security Group
と考えると、それぞれのサービスや機能がどのような役割を持っているのかが分かりやすくなります。
▪️まとめ
今回は、AWSの代表的なサービスであるEC2について解説しました。
今回のポイントをまとめます。
- EC2はAWS上で仮想サーバーを利用できるサービス
- EC2で作成した仮想サーバーをEC2インスタンスという
- AMIを利用してEC2インスタンスを作成する
- インスタンスタイプによってCPUやメモリなどの性能が決まる
- EBSをEC2のストレージとして利用できる
- EC2はVPCなどのAWSネットワーク上で利用する
- セキュリティグループによって通信を制御できる
- EC2はALBやRDSなど、他のAWSサービスと組み合わせて利用できる
- AWSではサービス単体ではなく、システム全体の構成を理解することが重要
EC2はAWSを学ぶうえで非常に基本的なサービスです。
次の記事では「VPC」について解説します。
*「VPC」についての記事はこちら
→「https://lovelabengineer.com/2026/10/07/awsのvpcとは?仮想ネットワークの仕組みを初心者向/」

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