▪️目的

AWSでEC2を利用していると、「EBS」という言葉を目にすることがあります。

EC2が仮想サーバーであることは分かっていても、

  • EC2のデータはどこに保存されているの?
  • EBSって何?
  • EC2とEBSはどんな関係?
  • EBSとS3は何が違うの?

と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、AWS初心者の方向けに、EBSの基本的な仕組みからEC2との関係、ボリューム、スナップショットまで分かりやすく解説します。



▪️EBSとは?

EBSとは、Elastic Block Storeの略です。

EC2で利用することができる、AWSのブロックストレージサービスです。

簡単にいうと、

EC2に接続して、OSやアプリケーション、データなどを保存するためのストレージ

です。

例えば、EC2上にLinuxサーバーを構築した場合、

EC2
 │
 └─ EBS
     ├─ OS
     ├─ アプリケーション
     ├─ 設定ファイル
     └─ データ

というような関係になります。

EC2が「仮想サーバー」だとすると、EBSはそのサーバーで利用する「ディスク」のようなものだと考えると分かりやすいでしょう。


▪️EC2とEBSの関係

ここはEBSを理解するうえで重要なポイントです。

EC2は仮想的なコンピューティング環境です。

一方、EBSはEC2から利用するストレージです。

つまり、

EC2
 │
 ├─ CPU
 ├─ メモリ
 └─ EBS
      │
      └─ データを保存

というイメージです。

例えばEC2にLinuxをインストールして利用する場合、OSを保存するためのEBSが必要になります。

このOSが入っているEBSを、一般的にルートボリュームと呼びます。


▪️EBSボリュームとは?

EBSでは、ストレージをボリュームという単位で扱います。

例えば、

EBSボリューム
容量:100GiB

というEBSを作成してEC2に接続できます。

EC2から見ると、EBSはディスクとして認識されます。

Linuxであれば、

lsblk

などのコマンドを利用して、接続されているディスクを確認できます。

例えば、

NAME        SIZE
nvme0n1      30G
├─nvme0n1p1  29G
└─nvme0n1p2   1G
nvme1n1     100G

のように表示されます。

このように、EC2にEBSを追加すると、OSからディスクとして利用できるようになります。


▪️ルートボリュームと追加ボリューム

EC2では、EBSを大きく2つの用途で考えることができます。

♦︎ルートボリューム

ルートボリュームは、EC2のOSが保存されているボリュームです。

例えばLinuxの場合、

EC2
 │
 └─ ルートボリューム
      ├─ OS
      ├─ /etc
      ├─ /var
      └─ その他のシステムファイル

といった形になります。

EC2を起動するためにも利用される重要なボリュームです。


♦︎追加ボリューム

OSとは別に、データ保存用のEBSを追加することもできます。

例えば、

EC2
 │
 ├─ ルートボリューム
 │    └─ OS
 │
 └─ 追加EBS
      └─ アプリケーションデータ

のような構成です。

ログやアプリケーションデータなど、OSとは分けて保存したいデータがある場合に利用できます。


▪️EBSの種類

EBSには複数のボリュームタイプがあります。

代表的なものとして、以下があります。

ボリュームタイプ特徴
gp3汎用SSD。幅広い用途で利用される
gp2旧世代の汎用SSD
io2高いIOPSが必要な用途向け
st1HDD。スループット重視
sc1HDD。低コスト・低頻度アクセス向け

現在、一般的な用途ではgp3がよく利用されます。

例えば、

  • 一般的なWebサーバー
  • アプリケーションサーバー
  • 開発環境
  • 検証環境

などです。

一方で、高いI/O性能が必要なデータベースなどでは、io2などが検討される場合があります。


▪️EBSの容量

EBSボリュームを作成するときには、容量を指定します。

例えば、

容量:100GiB

のように設定します。

重要なのは、EBSの容量とEC2の性能は別の要素だということです。

例えば、

容量:100GiB

だからといって、必ず高速になるわけではありません。

EBSでは、

  • 容量
  • IOPS
  • スループット

などを考えて、用途に合ったボリュームタイプや設定を選択します。


▪️EBSとEC2はどこに存在する?

EBSを理解するうえで、**Availability Zone(AZ)**も重要です。

EBSボリュームは、特定のAZに存在します。

例えば、

東京リージョン
│
├─ AZ-a
│   └─ EBS
│
└─ AZ-c
    └─ EBS

のようなイメージです。

そのため、EBSをEC2にアタッチするときには、基本的に同じAZに存在する必要があります。

例えば、

AZ-a

EC2
 │
 └─ EBS

という接続はできます。

一方、

AZ-a                 AZ-c

EC2  ──────── EBS

のように、異なるAZにあるEBSをそのままEC2へアタッチすることはできません。

この点は、後ほど説明するEBSのバックアップや障害対策を考えるうえでも重要です。


▪️EBSスナップショットとは?

EBSには、スナップショットという機能があります。

スナップショットとは、簡単にいうと、

EBSボリュームの状態を保存しておく機能

です。

例えば、

EBS
 │
 └─ スナップショット

という形でEBSのデータをバックアップできます。

万が一、EBSのデータを失った場合でも、スナップショットから新しいEBSボリュームを作成して復元できます。


▪️EBSスナップショットのイメージ

例えば、EC2に100GiBのEBSが接続されているとします。

EC2
 │
 └─ EBS 100GiB
      │
      └─ スナップショット

このスナップショットを利用して、新しいEBSボリュームを作成できます。

スナップショット
       │
       ▼
新しいEBS
       │
       ▼
EC2へアタッチ

このように、EBSスナップショットはバックアップや復旧のために利用できます。


▪️EBSとS3の違い

AWS初心者の方が混乱しやすいのが、

「EBSとS3ってどっちもデータを保存するサービスじゃないの?」

という点です。

確かにどちらもデータを保存できます。

しかし、用途が大きく異なります。

項目EBSS3
種類ブロックストレージオブジェクトストレージ
主な用途EC2のディスクファイル・データ保存
利用イメージサーバーのディスクオンラインストレージ
EC2との関係EC2に接続して利用APIなどを通して利用
主な用途OS・アプリ・DBなどバックアップ・画像・ログなど

簡単に考えると、

EBS
↓
EC2のディスク

S3
↓
AWS上のデータ保管場所

というイメージです。

例えばEC2のOSを保存するならEBS。

画像ファイルやバックアップファイルを保存するならS3。

といったように、用途によって使い分けます。


▪️EBSを利用したWebシステムの例

実際のWebシステムでは、以下のような構成が考えられます。

          Internet
              │
              ▼
          ALB
              │
              ▼
         EC2 × 2台
          │      │
          │      │
        EBS    EBS
          │      │
          ▼      ▼
       OS・データ

EC2には、それぞれEBSが接続されています。

例えば、

EC2-1
 └─ EBS
     └─ OS・アプリケーション

EC2-2
 └─ EBS
     └─ OS・アプリケーション

という構成です。

ただし、EBSは基本的に1つのAZ内で利用するストレージなので、複数AZにまたがって同じEBSを共有するような使い方はできません。

そのため、複数のEC2でデータを共有する必要がある場合には、EFSやS3、データベースなど、別のサービスを検討します。


▪️EBSを利用するときに考えること

EBSを設計・構築するときには、単純に容量だけを決めればよいわけではありません。

例えば、

  • どのくらいの容量が必要か
  • どの程度のIOPSが必要か
  • どの程度のスループットが必要か
  • SSDとHDDのどちらが適しているか
  • バックアップは必要か
  • 障害時にどう復旧するか
  • OSとデータを分離する必要があるか

などを考えます。

特に本番環境では、

「とりあえず100GiBにしておこう」

ではなく、

システムの用途や性能要件からEBSを選択する

ことが重要です。


▪️EBSを削除するときの注意点

EBSは、EC2とセットで考える必要がありますが、EC2を終了したからといって、すべてのEBSが必ず残るとは限りません。

EC2のEBSには、削除時の動作を指定する設定があります。

例えばルートボリュームでは、

EC2終了
  ↓
EBSも削除

となる設定が一般的です。

一方、設定によっては、

EC2終了
  ↓
EBSは残る

ということもあります。

そのため、EC2を削除する際には、

「このEBSは削除して問題ないか?」

を確認することが重要です。


▪️EBSを理解するとEC2がさらに分かりやすくなる

ここまで見てきたように、EC2は単純に「仮想サーバー」と考えるだけではなく、

EC2
│
├─ CPU・メモリ
│
├─ ネットワーク
│    └─ VPC / Subnet / Security Group
│
└─ ストレージ
     └─ EBS

というように、複数のAWSサービスや機能から構成されています。

これまでの記事で、

  • VPC
  • Subnet
  • Route Table
  • Internet Gateway
  • NAT Gateway
  • Security Group
  • NACL

について説明してきました。

ここにEBSを加えることで、

「EC2はネットワークとストレージを組み合わせて構成されている」

という全体像が見えてきます。


▪️まとめ

今回は、AWSのEBSについて解説しました。

EBSは、EC2で利用するブロックストレージサービスです。

ポイントを整理すると、

  • EBSはEC2に接続して利用するストレージ
  • EC2のOSやアプリケーション、データなどを保存できる
  • EBSはボリュームという単位で管理する
  • ルートボリュームにはOSが保存される
  • 用途に応じてEBSのボリュームタイプを選択する
  • EBSは特定のAZに存在する
  • EBSスナップショットによってバックアップできる
  • EBSとS3は、どちらもストレージだが用途が異なる
  • 容量だけではなく、IOPSやスループットなども考慮する

AWSでは、1つのサービスだけでシステムを構築するのではなく、それぞれのサービスを組み合わせてシステムを構築します。

EC2のネットワーク部分を担当するのがVPCやSubnet、Route Tableなど。

そして、EC2のストレージ部分を担当する代表的なサービスがEBSです。

このように、それぞれのサービスの役割を理解していくと、AWSのシステム構成が少しずつ見えるようになってきます。

次回は、EC2などで利用するストレージをさらに理解するために、EBSのスナップショットやAMIとの関係について掘り下げていきます。

*「AMI」の記事はこちら
→「https://lovelabengineer.com/2026/10/08/awsのamiとは?ec2を作成するためのテンプレートを初心/」

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