▪️目的

AWSには、複数の処理を順番に実行したり、条件によって処理を分岐させたりできるサービスがあります。

そのサービスがAWS Step Functionsです。

LambdaやECS、Amazon SQSなど、さまざまなAWSサービスと組み合わせて利用できます。

今回はAWS初心者向けに、Step Functionsとは何なのか、どのような仕組みで処理を実行するのかをわかりやすく解説します。

▪️Step Functionsとは?

AWS Step Functionsは、複数の処理をワークフローとして組み合わせ、順番に実行したり、条件によって処理を分岐させたりできるサービスです。

例えば、次のような処理があるとします。

  1. データを取得する
  2. データを加工する
  3. 加工したデータを保存する
  4. 処理結果を通知する

これらをそれぞれ別々の処理として作り、それらをStep Functionsでつなげることができます。

イメージとしては、

処理A → 処理B → 処理C → 処理D

というように、複数の処理を一つの流れとして管理するサービスです。

▪️Step Functionsの基本的な仕組み

Step Functionsでは、処理の流れを**ステートマシン(State Machine)**として定義します。

ステートマシンの中には、処理を表す**State(ステート)**を設定します。

例えば、

開始
 ↓
データ取得
 ↓
データ加工
 ↓
条件判定
 ↓
 ├─ 成功 → データ保存
 │
 └─ 失敗 → エラー処理
 ↓
終了

というようなワークフローを作ることができます。

このように、Step Functionsでは単純に処理を順番に実行するだけではなく、条件分岐やエラー処理なども含めてワークフローとして管理できます。

▪️Step FunctionsのStateとは?

Stateは、ワークフローの中で実行される処理や状態を表します。

代表的なものとして、以下があります。

♦︎Task

実際の処理を実行します。

例えばLambdaを呼び出したり、AWSサービスに対して処理を実行したりできます。

♦︎Choice

条件によって処理を分岐させます。

例えば、

処理結果がOK
↓
次の処理へ

処理結果がNG
↓
エラー処理へ

のような分岐ができます。

♦︎Wait

指定した時間だけ処理を待機させます。

♦︎Parallel

複数の処理を並列で実行できます。

♦︎Succeed / Fail

ワークフローを成功または失敗として終了させます。

このようなStateを組み合わせることで、複雑な処理フローを構築できます。

▪️Step FunctionsとLambdaの関係

Step Functionsを理解するときに、Lambdaとの関係は非常に重要です。

Lambdaは、コードを実行するサービスです。

一方、Step Functionsは、そのLambdaなどを組み合わせて処理の流れを管理するサービスです。

例えば、

Step Functions
      ↓
    Lambda
      ↓
  データ処理
      ↓
Step Functions
      ↓
    Lambda
      ↓
  データ保存

という構成にできます。

つまり、

Lambda
→「処理を実行する」

Step Functions
→「処理をどの順番で実行するか管理する」

という関係です。

▪️Step Functionsを使うメリット

♦︎複数の処理を一つのワークフローとして管理できる

複数のLambdaなどを組み合わせた処理を、Step Functions上で一つのワークフローとして管理できます。

処理の流れが視覚的にも分かりやすくなるため、複雑な処理を整理しやすくなります。

♦︎条件分岐ができる

処理結果などに応じて、次に実行する処理を変更できます。

例えば、

注文を受け付ける
      ↓
在庫を確認
      ↓
  在庫あり?
   ↙     ↘
 YES      NO
 ↓         ↓
注文処理   キャンセル処理

といった処理を作ることができます。

♦︎エラー処理を組み込みやすい

Step Functionsでは、処理が失敗した場合のリトライやエラー処理をワークフローに組み込むことができます。

そのため、複数の処理を組み合わせるシステムでも、異常発生時の処理を設計しやすくなります。

♦︎処理の状態を確認しやすい

Step Functionsでは、ワークフローの実行状況を確認できます。

どの処理まで進んでいるのか、どこで失敗したのかを確認しやすいため、複数の処理から構成されるシステムの運用にも役立ちます。

▪️Step Functionsの利用例

Step Functionsは、さまざまな処理の自動化に利用できます。

例えば、ECサイトの注文処理なら、

注文受付
 ↓
在庫確認
 ↓
決済処理
 ↓
配送処理
 ↓
注文完了通知

という一連の処理をワークフローとして管理できます。

また、データ処理では、

データ取得
 ↓
データチェック
 ↓
データ加工
 ↓
データ保存
 ↓
処理完了通知

のような流れを作ることもできます。

▪️Step FunctionsとEventBridgeの違い

AWSには、EventBridgeというサービスもあります。

どちらも自動化に関係しますが、役割は異なります。

EventBridge

「あるイベントが発生したら、処理を開始する」

Step Functions

「開始した処理を、決められたワークフローに沿って実行する」

というイメージです。

例えば、

イベント発生
   ↓
EventBridge
   ↓
Step Functions
   ↓
Lambda
   ↓
Lambda
   ↓
処理完了

というように、両方を組み合わせることもできます。

▪️Step FunctionsとSQSの違い

SQSも処理の非同期化などで利用されるため、混同しやすいサービスです。

SQSは、メッセージをキューに保存して、処理する側へ渡すためのサービスです。

一方、Step Functionsは、複数の処理をどのような順番で実行するかを管理するサービスです。

そのため、

SQS
→「処理する仕事を一旦キューに入れておく」

Step Functions
→「処理全体の流れを管理する」

と考えると分かりやすいです。

▪️Step Functionsを使うときのイメージ

Step Functions単体で何でも処理するというより、他のAWSサービスを組み合わせてワークフローを作ることがポイントです。

例えば、

             EventBridge
                  ↓
            Step Functions
             ↙         ↘
         Lambda       Lambda
           ↓             ↓
        DynamoDB       S3
             ↘         ↙
              処理完了

のように、複数のAWSサービスをつないで処理全体を管理できます。

AWSでは一つのサービスだけですべてを実現するのではなく、それぞれのサービスの役割を組み合わせてシステムを作ることが多いため、Step Functionsはその「つなぎ役」として理解すると分かりやすいでしょう。

▪️まとめ

今回はAWS Step Functionsについて解説しました。

Step Functionsは、複数の処理をワークフローとして組み合わせ、処理の順番や条件分岐、エラー処理などを管理できるサービスです。

ポイントをまとめると、

  • 複数の処理をワークフローとして管理できる
  • State Machineによって処理の流れを定義する
  • Task、Choice、Wait、ParallelなどのStateを利用する
  • LambdaなどのAWSサービスと組み合わせて利用する
  • 条件分岐やリトライ、エラー処理を組み込める
  • 実行中のワークフローの状態を確認しやすい
  • EventBridgeやSQSなど、他のAWSサービスとも組み合わせられる

という点が重要です。

Step Functionsを理解すると、AWSサービスを単体で覚えるだけではなく、**「複数のサービスを組み合わせて、一つの処理の流れを作る」**という考え方を身につけることができます。

AWSでシステムを設計・構築するときにも重要になる考え方なので、ぜひ覚えておきましょう。

No responses yet

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

Latest Comments

表示できるコメントはありません。