目的
イーサネット通信の概要はCCNA試験で頻出です。それ以外にも通信の仕組みを理解しておくことはネットワークで何か問題が起きた時のトラブルシューティングにも役立ちます。
ここではまず、物理層、データリンク層(OSI基本参照モデル)、ネットワークインタフェース層(TCP/IPモデル)で使用される通信規格である「イーサネット(Ethernet)」について解説します。
イーサネット(Ethernet)とは
イーサネット(Ethernet)はOSI基本参照モデルでは「物理層」「データリンク層」、TCP/IPモデルでは「ネットワークインタフェース層」のプロトコルです。
イーサネットは「同一LAN内で隣接したコンピュータ同士がどのように通信するか」を定義します。
以下のような通信の際のルールを定めます。
*LANについてはこの記事を参照「https://lovelabengineer.com/2026/08/16/ネットワークの概要/」
ざっくり言うと、同一LAN内のPCやサーバなどの機器が相互に通信できるように決めたお約束ごとです。スイッチを介することで、1対1で接続するときに比べて様々な機器と通信できます。

LAN内では「フレーム」と呼ばれるデータを送って通信を行います。
フレームに送信元、送信先のアドレス、データなど様々な情報が付加されており、これを使用して相互に通信を行うことが可能になります。
ざっくり言うと物理層、データリンク層では以下のようなことを定めています。
物理層・・・電気信号(0と1)を使ってどうやって通信を行うか。
→ 「どうやって物理的にビットを伝えるか」
*コンピュータの全ての機能は「0」「1」の2つの数字のみを使って実現されます。通信も同様です。
データリンク層・・・フレームを作り、どのように相手に届けるか。
→「どういうフレームにして、同じLAN内でどう届けるか」
ケーブル
「物理層」に関する規格です。
有線の場合はケーブルを使用して機器同士を接続するので通信を行えるようにルールが存在し、無線の場合はケーブルを使用しないで通信を行うためのルールが存在します。主に以下の3つを使用します。
同軸ケーブル・・・中心の胴体を絶縁体、金属シールドで囲んだケーブルです。
特徴
・昔のイーサネット(10BASE5 / 10BASE2)などで使用
・ノイズに比較的強い
・現在の一般的なLANでは使用されない
ツイストペアケーブル・・・2本の銅線をねじった「ペア」を複数組まとめたケーブルです。ねじることで電磁ノイズの影響を抑えやすくしています。
特徴
・LANケーブルで1番身近
・Ethernetで広く利用
光ファイバーケーブル・・・電気信号ではなく、光を使ってデータを伝えるケーブルです。
特徴
・非常に高速な通信が可能
・長距離通信に強い
・電磁ノイズの影響を受けにくい
・データセンターや通信事業者のネットワークなどで活躍
イーサネットでは上記のようなケーブルを使用して、データを送信できます。
MACアドレス
ネットワーク機器の1つ1つに割り当てられた16進数12桁の固有の番号(アドレス)です。前半の6桁は「メーカー名」、後半の6桁は「製品の固有の番号」になります。
(例)12:34:AB:56:78:CD
「データリンク層」で通信を行う際に使われるアドレスで、機器を識別し、通信相手を特定できます。
例えばサーバ同士が以下のように通信を行う場合、サーバは「相手サーバのMACアドレス」を指定してその相手サーバにデータ(フレーム)を送信できます。

そして、この「MACアドレス」はスイッチ内の「MACアドレステーブル」に保存されています。「MACアドレステーブル」には「機器」と「MACアドレス」が紐づけられて保存されています。これによりどの機器がどのMACアドレスを持っているか判別でき、送信元や送信先を特定できます。
*MACアドレスについて知りたい方はこちら「https://lovelabengineer.com/2026/08/27/macアドレスについて/」
フレーム
イーサネットで通信を行う際に必要な制御情報は、「ヘッダ」「トレーラ」に格納されます。フレームの形式は以下のようになります。

①プリアンブル・・・フレームの前にあり、フレームの開始を表す。
*フレームには含まれない
「これからEthernetフレームの通信を始めます」と知らせて、送受信のタイミングを合わせられる。
②宛先MACアドレス・・・宛先の機器を指定します。スイッチは基本的にここを見て、どのインタフェースに転送するか判断します。
③送信元MACアドレス・・・送信元の機器を指定します。スイッチはこのアドレスから送信元の機器を特定します。
④タイプ・・・プロトコルを指定します。例えば、IPv4で通信を行っている場合、「0x0800」(IPv4)となります。
⑤データ・・・上位層からもらったデータ(IPパケット、TCPセグメント、HTTPデータなど.....)です。各上位層のデータを受信後、自分のヘッダを付加します。
⑥FCS・・・最後に付加されるエラー検出用の値(トレーラーとも呼ばれる)。
送信側ではデータ送信時にフレームから値を計算します。受信後(相手側機器に到達後)は受信側で同じようにフレームから計算を行い、このFCSの値が同じか確認します(壊れていないか、改ざんされていないか確認)。
半二重通信と全二重通信
全二重通信はコンピュータがデータの送信と受信を同時に行える通信、半二重通信は送信している間は受信ができず、受信している間は送信ができない通信です。
半二重通信では、複数のコンピュータで同時にデータが送信されると「衝突(Collision)」が発生します。
CSMA/CD方式・・・半二重通信の代表例の方式で、データの送信側は送信前にケーブル上で信号が流れているか、データが流れているか確認してから送信する。信号が流れている間はその信号が終わるまで待機します。
もし複数のコンピュータが同時にデータを送信すると衝突が発生し、それを検知すると送信側は衝突発生の信号を受信側に送ります。受信側はデータの受信を中断し、そのデータを破棄します。
その後、ランダムな時間待機した後にデータの再送信を行います。
半二重通信は、現在ではほとんど使用されません。基本的に全二重通信が行われます。
上記で紹介したケーブルは
同軸ケーブル → 半二重
ツイストペアケーブル → 半二重、全二重
光ファイバケーブル → 全二重.
に対応しています。
まとめ
イーサネットの通信の仕組みを理解することはネットワーク構築時のトラブルシューティングで役に立ちます。ぜひ覚えておいてください。

No responses yet