目的
今回からOSI基本参照モデル第3層の「ネットワーク層」、TCP/IP通信の「インターネット層」で使用される「IPアドレス」について解説します。
IPアドレスはインフラエンジニアでなくても、エンジニアであれば必須中の必須ワードであり皆さんも何となくどんなものか分かっているかもしれませんが、意外と関連ワードも含めて理解できている人は少ないです。
IPアドレスとは
IPアドレスとは、ネットワーク内におけるコンピュータの住所です。
コンピュータは相手のIPアドレスを指定して、通信の宛先を指定します。OSI基本参照モデル第3層の「ネットワーク層」、TCP/IP通信の「インターネット層」では上位層から流れてきたデータにヘッダを付加した「パケット」に「宛先IPアドレス」が含まれています。
また、同一ネットワーク内でIPアドレスは重複しません。
IPアドレスと2進数
コンピュータ内は2進数で全て処理されるので、IPアドレスも2進数で表記されます。しかし、これでは私たち人間には分かりづらいので、これを10進数にします。
2進数表記ではIPアドレスは32ビット(32桁)で表記されます。10進数表記ではこれを8ビットずつに区切ってそれぞれ2進数に変換します。

ネットワーク部とホスト部
IPアドレスは「ネットワーク部」と「ホスト部」に分けられます。「ネットワーク部」とは「そのコンピュータがどのネットワークに属するか」を表します。

例えば、複数のコンピュータのネットワーク部(172.16.1.0)が同じだと、そのコンピュータ同士は同一ネットワークに属します。つまり前述した同一LANでの通信になります。
*同一LANの通信に関してはこちらをチェック!「https://lovelabengineer.com/2026/08/26/イーサネット(ethernet)について_osi基本参照モデル第1/」
ホスト部とは「そのネットワーク内のどの機器か」を表します。ホスト部の値はネットワーク内で重複しません。
ルータは相手の「ネットワーク部」のみを見てパケットを送信します。言い換えると、宛先がどのネットワークかしか見ません。したがって、ルータはまず「宛先IPアドレス」の属する「ネットワーク部」までパケットを中継・送信します。
ネットワーク内に到達した後は同一LAN間ネットワークになるので、前述したスイッチなどを介して通信を行います。
*ネットワーク部 = 区全体、ホスト部 = 区内の特定の家
アドレスクラス(クラスフル)
IPの初期のプロトコルでは、使用できるIPアドレスの範囲とそのネットワーク部の長さが決められていました。これを「クラスフル」といいます。

クラスレス
上記のクラスフルでは、状況によってはIPアドレスが使用されず余ってしまいます。
例えば、IPアドレスを100しか使用予定のないネットワーク環境に、クラスCを採用すると156個のIPアドレスが使用されず余ってしまいます。これだとすごく効率が悪いです。
クラスAだと約1600万個のIPアドレスが使用できますが、こんなに使う環境は見たことがありません。そこでホストの台数(使用したいIPアドレスの数)に応じて、ネットワーク部の長さを柔軟に決められるようになりました。
クラスレスでは下記のサブネットマスクを使用してネットワーク部の長さを表します。
ホスト部でホスト数(コンピュータ数)を特定
前述したように「00001111」がホスト部の値で、10進数表記だと「15」です。ネットワーク部が「172.16.1.0」だとすると、IPアドレスは「172.16.1.15」となります。
ホスト部の1ビットを見てみましょう。1ビットに入る数字は2進数なので 0 or 1 のどちらかです。それが8ビット(8桁)あるので、IPアドレスの表記パターンは「2の8乗 = 256」あります。
したがって、ホスト部が8ビットの場合、ホスト(コンピュータ)の台数は256台あると言いたいところですがそうではありません。IPアドレスにおいて「ホスト部が全て0(ネットワークアドレス)」「ホスト部が全て1(ブロードキャストアドレス)」のアドレスは使用できません。
したがって「256 - 2 = 254 」より、ホスト部が8ビットの場合の使用できるホストは254台となります。
*ネットワークアドレス・・・上記の例だと10進数表記で「172.16.1.0」となる。これはホスト部がネットワーク部そのものを表すためホストのIPアドレスとして使用できない。
*ブロードキャストアドレス・・・上記の例だと10進数表記で「172.16.1.255」となる。ホスト部が全て1のアドレスは、一斉にネットワーク内の全てのホストと通信したいときに使用するアドレスのためホストのIPアドレスとして使用できない。
サブネットマスクについて
クラスレスでIPアドレスを管理する場合、「サブネットマスク」と呼ばれる情報を使ってネットワーク部の長さを指定します。
「サブネットマスク」も2進数8ビットずつに区切って表記します。「1」と「0」の境目がネットワーク部とホスト部の区切りになります。

まとめ
いかがだったでしょうか。収まらなかったのでIPアドレスの解説は次回の記事でも行います。
IPアドレスだけでなく、ネットワーク部とホスト部を相手のネットワーク規模に応じて範囲を選定して使用するIPアドレス数を見積もることは実務では必須です(特にサーバ新規構築の案件)。

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